1. 意味
「ni siquiera」は「~さえ(~でさえ)」「~すら」という意味で、否定文において「期待される最低限のことすら達成されていない」ことを強調するために使われます。英語では「not even」に相当します。文脈によっては驚きや失望を強調するニュアンスも含まれます。
- 否定の強調:「~も~でない」「~すら~でない」
- 例: 「彼は1ページも読まなかった」→ 「彼は1ページすら読まなかった」と強調。
2. 使い方
- 文法: 通常、否定文(no + 動詞)と組み合わせて使われます。「ni siquiera」の後に続くのは、名詞、動詞、節などさまざまな要素が可能です。
- 位置: 文中で「ni siquiera」は強調したい部分の直前に置かれます。
- ニュアンス: 期待や予想に反して「それすらできていない」という失望や意外性を示すことが多いです。
3. 類義語
「ni siquiera」に近い意味を持つ表現は文脈によって異なりますが、以下のようなフレーズが類義語として考えられます:
- ni tan siquiera: 「ni siquiera」とほぼ同じ意味ですが、ややフォーマルまたは強調度が強い場合に使われます。「~でさえも」「~すらも」。
- ni aun: 「~でさえも」という意味で、やや古風または文語的。
- tampoco: 「~もまた(~でない)」という意味で、否定の範囲を広げる際に使われますが、「ni siquiera」ほど「最低限の期待」を強調しません。
違いの例:
- 「No vino ni siquiera Juan.」→ 「フアンすら来なかった。」(フアンが来るのは最低限期待されていたのに)
- 「No vino tampoco Juan.」→ 「フアンも来なかった。」(他の人も来なかったし、フアンも同様に来なかった)
4. 例文
以下に、「ni siquiera」の使い方を理解するための例文を日本語訳とともに示します。
例文1: 名詞との組み合わせ
- スペイン語: No tengo ni siquiera un euro en el bolsillo.
- 日本語訳: ポケットに1ユーロすらない。
- 解説: 「1ユーロ」という最低限の金額すらないことを強調。
例文2: 動詞との組み合わせ
- スペイン語: No estudió ni siquiera para el examen más fácil.
- 日本語訳: 彼は一番簡単な試験にすら勉強しなかった。
- 解説: 簡単な試験なら勉強するのが当然という期待を裏切るニュアンス。
例文3: 節との組み合わせ
- スペイン語: Ni siquiera sé dónde está mi teléfono.
- 日本語訳: 自分の電話がどこにあるかすら知らない。
- 解説: 自分の電話の場所を知るのは基本的なことなのに、それすら知らないという驚きや苛立ちを表現。
例文4: 感情的な強調
- スペイン語: ¡Ni siquiera me miró cuando pasé por su lado!
- 日本語訳: 私がそばを通ったとき、彼女は私を見ずにいた!
- 解説: 見てくれるのが当然という期待が裏切られたことを強調。
5. 文脈によるニュアンス
- 驚きや失望: 「ni siquiera」は、期待していたことが起こらなかった場合に使うことが多いです。話者の感情(驚き、苛立ち、失望)を強調します。
- 例: 「No me llamó ni siquiera para mi cumpleaños.」(誕生日にすら電話してくれなかった。)
- 軽い皮肉: 場合によっては、相手の行動を批判するような皮肉なニュアンスを含むことも。
- 例: 「Ni siquiera se disculpó por llegar tarde.」(遅刻したのに謝りさえしなかった。)
6. 注意点
- 肯定文では使わない: 「ni siquiera」は否定文専用です。肯定文で「~さえ」を表現したい場合は「incluso(インクルソ)」や「hasta(アスタ)」を使います。
- 例: 「Incluso los niños lo saben.」(子供でさえそれを知っている。)
- 「ni」との関係: 「ni siquiera」は「ni(~も)」の強調形と考えられます。「ni」を単独で使う場合よりも強い否定を表現します。
- 例: 「No quiero café ni té.」(コーヒーもお茶も欲しくない。)→ 単なる列挙。
- 例: 「No quiero ni siquiera café.」(コーヒーすら欲しくない。)→ コーヒーという最低限の選択肢すら拒否。
7. 練習問題(自分用メモとして)
以下の文を「ni siquiera」を使って書き換え、強調のニュアンスを加えてみましょう。
- 彼は宿題をやらなかった。
- 彼女は私の名前を覚えていない。
- 私は一言も話さなかった。
解答例:
- No hizo ni siquiera la tarea. (彼は宿題すらやらなかった。)
- Ni siquiera recuerda mi nombre. (彼女は私の名前すら覚えていない。)
- No hablé ni siquiera una palabra. (私は一言すら話さなかった。)
8. まとめ
- 意味: 「~すら」「~でさえ」を強調する否定表現。
- 用法: 否定文で、期待の最低限すら満たさないことを示す。
- 類義語: 「ni tan siquiera」「ni aun」「tampoco」など。
- ポイント: 感情(驚き、失望、皮肉)を強調するニュアンスに注意。
- 学習のコツ: 実際の会話や文章で「ni siquiera」を見つけて、どんな感情や文脈で使われているかを観察する。
肯定文の場合
siquiera
👉 とても便利な副詞で、文脈によってニュアンスが変わります。
1. 否定文で「〜すら(ない)」
日本語:〜さえ(ない)、〜すら(しない)
英語:not even
📘例文:
- No me llamó siquiera. (彼は電話すらしてこなかった。)
- No tengo un euro siquiera. (1ユーロすら持っていない。)
2. 条件文で「せめて〜でも」
日本語:せめて〜でも、少なくとも
英語:at least
📘例文:
- Hazlo, aunque sea mal, pero hazlo siquiera. (下手でもいいから、せめてやってみなさい。)
- Siquiera podrías intentarlo. (せめて試してみてもいいだろう。)
🔹まとめ
- 否定文 + siquiera → 「〜すらない」
- 肯定文/条件 + siquiera → 「せめて〜でも」
👉 日本語で「せめて」と「〜すらない」を両方カバーできる便利な言葉です。
比較表
| 表現 | 肯定文 | 否定文 | 日本語ニュアンス | 英語ニュアンス |
|---|---|---|---|---|
| incluso | 〜でさえ、〜までも | (否定文でも可)〜すら(ない) | 追加・強調 | even |
| siquiera | (まれ)せめて〜でも | 〜すら(ない) | 最低限 or 不足感 | at least / even |
| ni siquiera | (ほぼ否定文専用)〜すらしない | 強い否定 | 強調して「全く〜しない」 | not even |